肥満治療の3本柱は、食事療法、運動療法、薬物療法。
それぞれに特徴があり、肥満治療に際し各自に最適な方法を選択しましょう。
漢方薬は、薬物治療の一つの選択肢として位置づけられています。
防風通聖散、防已黄耆湯、大柴胡湯の3つが、保険適用の肥満治療薬として厚生労働省から承認を受けています。
個々の治療薬の特徴は別のブログで紹介するとして、ここでは、肥満治療における漢方薬全般の特徴について解説します。
漢方薬は、植物や動物、鉱物などの天然由来の成分を配合した伝統的な中国医学の薬。
西洋医学の薬と違って、個人の体質や症状に合わせて処方されます。
漢方薬には西洋薬と比べて以下のような特徴が挙げられます。
- 体全体のバランスを整える
漢方薬は、肥満の原因となる内臓の機能低下や気血水の不調を改善することで、体全体のバランスを整えます。
単に体重を減らすだけでなく、新陳代謝や免疫力を高めたり、便秘やむくみなどの不快な症状を改善します。
また、肥満だけでなく、肥満に伴う生活習慣病や精神的な不調にも効果が期待できます。
- 副作用が少ない
漢方薬は、天然由来の成分を用いているため、副作用が比較的少ないと言われています。
ただし、漢方薬にもアレルギー反応や相互作用などの副作用が起こる可能性がありますので、血液検査を定期的に行うなど服用する際には注意が必要です。
- 長期的な効果がある
漢方薬は、体質や根本的な原因を改善することで、長期的な効果が期待でき、服用をやめても効果が持続することがあります。
また、食事療法や運動療法と併用することで、より効果的な肥満治療になります。
漢方薬は、肥満治療におけるメリットが多いですが、デメリットもあります。
- 効果発現が遅い
漢方薬は、体質や原因を改善することで、体全体のバランスを整えるという考え方に基づいています。
そのため、効果が現れるまでに時間がかかり、数ヶ月以上かけて服用する必要も。
また、個人差も大きく、効果が出る人と出ない人がいます。
漢方薬は、即効性や確実性を求める人には向かないでしょう。
- 費用面
漢方薬は、天然由来の成分を用いているため、費用が高いことがあります。
医師の処方によって保険適用される場合もありますが、自費で購入する場合も。
長期間服用する必要があるため、費用面で負担になることがあります。
- 品質が一定でない
漢方薬は、天然由来の成分を用いているため、製造元、原料の産地や採取時期によって品質が必ずしも一定でありません。
信頼できる製造元や販売元から購入する必要があります。
肥満治療における漢方薬の特徴について、メリット・デメリットを中心に紹介しました。
漢方薬は、体全体のバランスを整えて肥満だけでなく関連する症状や病気にも効果があると言われています。
一方、効果が遅いことや費用面のデメリットもあります。
漢方薬は、個人の体質や症状に合わせて処方され、副作用のチェックも必要であるため、服用する際には肥満治療に精通した医師や薬剤師に相談することが大切です。