目だけじゃない!ダイエットにもおすすめなルテイン

緑黄野菜に多く含まれるルテイン

仕事に家事に、慌ただしく過ぎていく毎日。

食事時間の確保もままならず、とりあえず、パンかおにぎり、はたまたカップ麺をかき込む。

こんなとき栄養不足を補うために、「マルチビタミン&ミネラル」を1錠口にする方も多いでしょう。

私もときどきお世話になってます。

このネーミングに「ビタミン・ミネラルは完璧!」と思い込んでしまいがちになりますが、果たしてそうでしょうか?

確かに殆どはこの1錠に含まれますが、足りないものも!

そのひとつの栄養素はルテイン。

以前このブログでも登場した、目や肌を保護する抗酸化作用を持つ、あのルテインです。

ルテインの多彩な作用

ここでおさらいをしましょう。

ルテインはカロテノイドの1種です。

カロテノイドとは動植物に広く存在する黄色または赤色の色素成分。

水に溶けにくく油に溶ける性質を持っており、カロテン類とキサントフィル類の2種類。

カロテン類の代表的なものとしては、β-カロテンやリコピンなどがあり、β-カロテンは動物や人間の体内でビタミンAに変わります。

キサントフィル類の代表的なものとしては、ルテインやアスタキサンチンがあります。

カロテノイドを多く含む食品はにんじん、ほうれん草、ピーマン、かぼちゃなどの緑黄色野菜や、かんきつ類、スイカ、柿などの果物のほか、とうもろこし、赤唐辛子、わかめやひじきなど海藻類、えび・かになどの甲殻類、いくら、卵黄などがあります。

カロテノイドは、人の体の中で活性酸素の発生を抑え、取り除く作用を持っています。

このため活性酸素の働きで作られる過酸化脂質が引き起こす動脈硬化を予防したり、老化やがんの発生に対しても効果があると考えられていることはよく知られています。

ルテインの抗肥満効果

そしてもうひとつの作用が抗肥満効果。

いくつかの学術研究からその効果の一端をご紹介しましょう。

はじめに英国での研究((Brit J Nutr 2021;126,1028)。

45~65歳の肥満者を、ルテイン20mgを摂取するルテイン群と摂取しないプラセボ群に分けて、両群とも低カロリー食を10週間食べました。

両グループとも体重とウエストは減少しましたが、ルテイン群の方が体脂肪率の減少が大きいという結果でした。

さらにプラセボ群では除脂肪量(≒筋肉)が大幅に減少しコレステロールは変化しなかったのに対して、ルテイン群では、除脂肪量(≒筋肉)は変化せずLDL-コレステロールが減少したという結果になりました。

つまりカロリーを減らしてダイエットするときにルテインを補うと、体脂肪を大きく減らし、しかも筋肉を維持しつつ、悪玉コレステロールを低下させることが示唆されたわけです。

日本の研究でも、ルテインの代謝産物が脂肪細胞の増殖を抑制することが確認されています。(小竹英一)

そしてルテイン以外にも、特に海藻由来のカロテノイド

ーフェナキサンチン
ーフコキサンチン
ーシフォナキサンチン

などに抗肥満効果、抗糖尿病効果が知られています。

肥満による炎症を予防するルテイン

世界の失明原因の上位を占める目の病気に黄斑変性症があります。

喫煙と並んで肥満が重要な危険因子であり、肥満が引き起こす慢性的な全身性炎症が発症に関与していると考えられています。

この病気について京都大学の研究チームは、現在は痩せていても過去の肥満がからだの免疫系に長期間記憶されて、現在の網膜に悪影響を及ぼしていることを明らかにし、国際学術誌「Science」に発表しました。

一時的であってもふとらないようにすることが大切なことを、この研究結果は教えてくれています。

でも太ってしまった場合はどうしたらよいでしょうか?

英国での研究によると、ルテインが網膜の炎症をやわらげることがわかっています。

この働きは、ルテインの持つ抗酸化作用によるものと考えられています。

1日に必要なルテインは約6mg。

この量は、ほうれん草から摂取するなら1/2束、ブロッコリーやレタスなら300g。

ちょっとハードルが高そうですね。

普段から野菜や海藻をあまり食べない方、目や肌の衰えが気になりはじめる中高年、そしてダイエット食できれいに痩せたい方はサプリメントから摂るのも良い方法でしょう。

補充の意味では1粒10mg、ダイエット中は20mgのルテインを含むサプリメントで十分でしょう。

ルテインはドラッグストアなどで入手できます。


記事一覧を見る