薬を飲まないで血圧を下げる方法5選

2024年05月07日 16:09
カテゴリ: 高血圧

高血圧の定義

高血圧の定義は病院で測定した血圧が上が140以上、または、下の血圧が90以上、

自宅で測定した血圧で診断する基準は 上が135以上、または、下の血圧が85以上、を高血圧と診断します。

現在は高性能で安価な家庭血圧計が普及してきていますので、自宅で測定した血圧を元に診療することが増えてきました。

健康診断などで高血圧を指摘されたら、ぜひ1台血圧計を購入していただきたいと思います。

その際は、手首で測定するタイプも出回っていますけれども、二の腕で測定するタイプの血圧計をおすすめしています。

日本の高血圧患者数は、国民健康・栄養調査では約4,300万人と報告されています。

一方実際に高血圧を治療している人は、約2,700万人です。

その差の1,600万人は、実際には高血圧に罹患しているものの、病院に受診していない人の数を表しています。

ずいぶん多くの人が治療を受けていないですね。

高血圧は脳卒中・心筋梗塞の危険因子

では、高血圧と診断されてこのまま放置したらどうなるのでしょう。

下のグラフのように血圧の上昇とともに脳卒中や心臓病のリスクが急激に上昇していきます。

ここで注目していただきたいことは、若い年代の人ほど血圧上昇による、病気の発症リスクが大きいということです。

厚生労働省による健康日本21によると、国民の収縮期血圧が4mmHg低下するだけで、脳卒中の死亡数が年間1万人、心臓病死亡数が年間5000人減少すると推定されています。

ぜひできるだけ早いうちに対策しましょう。

では対策というと具体的にどのようにしたら良いでしょうか?

対策1 減塩

1日に1gの塩を減らすことによって、血圧が1mmHg下がることが知られています。

私達日本人が摂取している食塩の量は1日10から11g。

これはWHOが推奨している量の2倍多く塩を取っていることになります。

つまりわたしたちは食塩の使用量を現在の半分にする必要があります。

例えば、市販されているレトルトパックの鍋つゆの素の塩分濃度は、およそ2% カップ1杯のつゆのもとに4gもの食塩が!

このつゆの素を水で2倍に希釈して塩分濃度1%で食べたことがありましたが、まったく美味しくありませんでした。

そこで、昆布だし、煮干し、かつおだし…などを追加したところ美味しくいただくことができました。

出汁をしっかり効かせれば、減塩してもなおかつ美味しくいただけます。

そのほか食材に合わせて、コショウや唐辛子、酢など何かを足してあげるのがお勧めです。

例えばサラダでしたら塩を使わない代わりにオリーブオイルをかけて、酢やレモン果汁、黒コショウをかけるだけで美味しくいただけます。

対策2 減量

メタボ体型の方は減量をおすすめします。

体重を1kg減らすごとに血圧は1mmHg下がることが知られています。

血圧が10mmHg下がると脳卒中のリスクが27%、心臓病のリスクが17%減るということがわかっています。

味付けを薄味にすることによって、食事摂取量が少なくなるとも言われていますので、ぜひ減塩と減量を同時に!

対策3 DASH食

血圧を下げるにはDASH食がオススメ!

DASH食は高血圧を予防し治療するためにアメリカで考案された食事療法です。

DASH食の特徴は、食品の組み合わせを改良するということです。

簡単に言えば、「今より体に良い食品を増やし、良くない食品を減らす」

具体的には果物、野菜、全粒穀物、豆類、ナッツ、魚を積極的に増やして、肉などの動物性脂肪を減らした低脂肪食を食事に取り入れるというものです。

このような食事にすることで、増える栄養素は、カリウム、カルシウム、マグネシウム、食物繊維、タンパク質です。

一方、減らす栄養素は、飽和脂肪酸とコレステロール。

ここでナトリウム塩を減らすと血圧が下がることは知ってるけど、カリウム、カルシウム、マグネシウムは血圧とどのような関係があるのかと疑問に思われた方もいると思いますので、簡単にご説明します。

野菜果物に多く含まれるカリウムが十分摂取できていると、カリウムが腎臓にはたらきかけて、余分なナトリウムを尿として排泄を促します。

ナトリウムは身体の中で血圧を上げる大きな要因なので、結果的に血圧が下がります。

マグネシウムは魚、果物、野菜、大豆に多く含まれているミネラル。

マグネシウムは血管を拡げる作用がありますので、上昇した血圧を下げる働きをします。

同時に、心臓の血管冠動脈も拡げますので、食事からのマグネシウム摂取量が増えると心筋梗塞などの心臓病発症リスクが低下すると報告されています。

カルシウムは骨を丈夫にすることは皆さんご存知だと思います。

その半面、カルシウム不足が高血圧や動脈硬化などの原因となっていることは、あまり知られていません。

カルシウムの働きは骨をつくることだけでなく、血管などの細胞の活動にも大きな役割を果たしています。

そのためカルシウムが不足すると、血圧の上昇や血管の老化を招きやすいでので、大豆や低脂肪の乳製品
などカルシウムを豊富に含む食品をしっかり取りましょう。

食物繊維、特に水に溶けるとゼリー状になる水溶性食物繊維は、食後の血糖値の上昇を抑える効果、コレステロールを吸着し体外に排出することで血中のコレステロールの低下させる効果の他に、ナトリウムを排出する効果もありますので、高血圧を予防します。

野菜、海藻、きのこなどで食物繊維を十分に取ることができない場合は、炭水化物を精製されていない全粒穀物、例えば玄米などから摂るようにすると、水溶性の食物繊維も豊富にとることができます。

このように野菜果物を豊富に取り入れることで、上の血圧が4mmHgから6mmHgくらい下がるというデータもあります。

対策4 適度な運動

「適度な運動」は、高血圧改善に限らず、糖尿病・認知症・うつ病をはじめ、多くの病気や障害を軽減・改善することは、明らかにされています。

最近、適度な運動の血圧を下げる効果の詳しい仕組みがわかってきました。

早歩きやジョギングなどの適度な運動をすると、足が地面に着地するときの刺激が、からだに伝わって脳の組織液に届きます。(下図)

すると、その刺激を血圧調節細胞が感知して、血圧を上昇させる蛋白質を低下させるため高血圧が改善すると言われています。

早歩き1日30分で血圧は4mmHg低下します。

1週間に5日行うとよいでしょう。

対策5 節酒

ビール中1本(酒1合)以下にすれば血圧 3mmHg低下するといわれています。

ぜひ節酒に努めましょう。

お酒といっしょに、塩分の多いおつまみをとることが多いですね。

飲酒を控えれば減塩も同時に行えて2倍の降圧効果が期待できそうです。

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