「寝つきはよいのだけれど、夜間に目がさめてしまってもう眠れない」というタイプの睡眠障害があります。
夜間目がさめたとき心に浮かんでいることは、過去のネガティブな出来事や未来の心配事ばかり。
これらの雑念は、脳のデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)と呼ばれる、脳の雑念回路の働きにより生じるものです。
DMNは誰にでも存在する、絶え間なく動いている「脳のアイドリング」状態といったものです。
これが過剰に活動すると、何もしていないのに疲れを感じたり、不眠につながっていきます。
夜間覚醒時は無理に寝ようとしないで、本を読む、音楽を聴くなどをして過ごせばよいのですが、雑念を振り払おうと睡眠導入薬を服用する方がいます。
DMNの暴走を止めるために睡眠薬を頼ることは、絶対におすすめしません。
翌朝に薬が体内に残り、さわやかに目覚めることができないうえに、習慣になりやすい、睡眠薬依存状態に陥りやすいからです。
こんなときにおすすめしたいのが、マインドフルネスです。
マインドフルネスというと、宗教的なもの、頭を空っぽに、無になるというイメージがありますが、そうではありません。
過去や未来ではなく、現在、今ここに意識を集中するということです。
具体的には、自分の身体の感覚(足裏と床、お尻と椅子、背中とベッドなどの接触感覚)や呼吸(鼻を通る空気、膨らむ胸、上下するおなかなど)に意識を向けることです。
意識を身体感覚に向けていても、すぐに意識がそれて雑念が浮かんで来てしまいます。
この雑念を振り払おうとするのではなく、浮かんだ事実に気づき、また意識を身体感覚に戻せばよいのです。
これを5分か10分行うと、いつの間にか眠ってしまいます。
もちろん、入眠時でもOKです。
また、仕事や勉強に疲れたときに行えば、頭がスッキリします。
ぜひ、一度、お試しください。
詳しく知りたい方には、次の本をおすすめします。
「脳疲労が消える最高の休息法[CDブック]」久賀谷 亮著
CDも付属していますので、10分ほどで簡単にできます。
どんなものか、ちょっとだけ知りたいという方には、次の動画が良いでしょう。
【とにかく脳が疲れているとき】マインドフルネス呼吸法
https://www.youtube.com/watch?v=AgtG7fcalVM
【身体に違和感・痛みがあるとき】ボディスキャン
https://www.youtube.com/watch?v=v-4k271kpPE