「運動を始める前の3つの習慣」を身につけたひとは、いよいよ運動をはじめましょう。
すると多くのひとは、減量に成功した有名人のサクセスストーリーや健康読本、テレビ番組を参考にプランを立てます。
そして見事に挫折、「意志が弱いから」と嘆きます。
はたして本当に意思が弱いから、挫折したのでしょうか?
世の中に意志の強いひとは、それほど多くいません。
立てたプラン・目標が、能力に見合っていなかっただけのことです。
ふだんあまり歩かないひとが、いきなりジョギングや階段の上り下りからはじめようとします。
1回もできないひとが、腕立て伏せ30回の日課を立てます。
一桁の足し算さえ満足にできない子が、二桁の計算に挑戦するようなものです。
目標が高すぎるのです。
では、どのようにはじめたらよいのでしょうか?
ヒントとなる知恵が、「習慣超大全ースタンフォード行動デザイン研究所の自分を変える方法」(BJ・フォッグ著)に詳しく述べられています。
ここでは簡潔にその方法をご紹介します。
著者は、「食後に歯をフロスする」ことを、習慣にすることができずに悩んでいました。
ある日、目標を「食後に歯を1本だけフロスする」に変えてみました。
これなら自分もできるだろうと。
当然のことながらできました。
1本だけフロスすると、2本フロスしたくなりました。
そして、2本が3本になり、3本が4本になり、ついにすべての歯をフロスする習慣を身につけることができたのです。
この経験をもとに、著者は運動を習慣にすることについてこう述べています。
1.初めの一歩としてできるだけ小さい目標をたてる。
A「壁腕立て伏せ2回」
立ったまま、壁に向かって腕立て伏せを2回。
腕力の弱い女性でもできます。
2回できれば、3回、4回と増やしたくなります。
次に、膝をついての、床腕立て伏せがやりたくなります。
次に・・・。
B「ウォーキングシューズを履く」
初日は、真新しい、お気に入りのシューズを履くにとどめる。
(シューズを履いても歩かない!!)
翌日は、シューズを履いて、部屋の中を1周してみたくなる。
翌々日は、庭を歩いてみたくなる。
その次の日は・・・。
2.小さな目標を達成できたら、自分を祝福する儀式を行う。
(壁腕立て伏せ2回できたら)
A「ガッツポーズをする」
(ウォーキングシューズを履いたら)
B「やったーと言ってステップを踏んで踊る」
どんなに小さな目標でも、達成できたら自分を祝福することが大切と述べています。
ひとに見られると、ちょっと(かなり)恥ずかしい気がしますが、これならできそうですね。
まずは初めの一歩を踏み出してみませんか。
「考えるより、行動しよう。思考の飽和点に達する前に始める。」(ロルフ・ドペリ 「Think clearly」)