食べないダイエットの落とし穴

10kg減量するには?

10kg減量して健康と理想の体型を手に入れたい!

1日に2100kcal必要とするこのひとは、何日絶食すると体重(脂肪)10kgを減量できるでしょうか?

10kgの脂肪組織は、約1ヶ月分のエネルギーに相当することから、10kgの減量には1ヶ月の絶食が必要になります。

これはあくまでエネルギーのみの計算ですが、ダイエットがいかに困難なものかおわかりいただけたと思います。

では、このひとが1食抜いて1日2食にしたら、何日で体重(脂肪)10kgを減量できるでしょうか?

摂取カロリーが33%減少することから、1ヶ月に3.3kg減量できるので、3ヶ月かかります。

これなら気力と根性でできそうだ、というひとがいるかもしれません。

この方法で仮に10kg減量できたとしたら、念願の健康と理想の体型を手に入れることができるでしょうか?

私は、できない!と断言できます。

理由1 たんぱく質不足による筋肉減少

からだの筋肉は絶えず異化と同化(分解と合成)を繰り返しています。

たんぱく質が不足すると、異化に傾き筋肉が減少し、その割に体脂肪は減少することはないため理想の体型は得られません。

理由2 ビタミン・ミネラル不足による体調不良

ビタミンはエネルギーをつくり出す働きを助け、体の調子を整える役割をはたしています。

ミネラルは細胞の材料になるほか、からだが機能するために必要な生理作用を持っています。

これらが不足すると、様々な健康障害をきたすことは避けられません。

体重が増えていく過程では、5大栄養素のうち糖質と脂質が過剰となり肥満が形成されます。

減量するためには、たんぱく質とビタミンとミネラルは十分摂取したうえに、糖質と脂質のみ減らす必要があるのです。(下図を参照してください)

3度の食事でバランスをとるのも容易ではないのに、2度の食事でこのようなバランスをとるのは至難の業ですね。

このためバナナダイエットなどの単品ダイエットがもてはやされることになります。

しかし、「バナナダイエットが危険なわけ」でお話したように、単品で必要な栄養素を備えた食品は存在せず、継続すれば、ビタミン、ミネラル、タンパク質欠乏に陥ります。

したがって低カロリー下で、十分なビタミンとミネラル、および必須アミノ酸を含んでバランスの良いたんぱく質60-80gを満たす一般食を摂取することは容易なことではありません。

減量療法時の食事バランス

フォーミュラ食を利用して減量する!

これらの点を解決するために、近年フォーミュラ食という調整食品が開発され利用されるようになりました。

糖質、脂質を極力減らす一方で、たんぱく質を十分摂取でき、必要なビタミン、ミネラルを含んだフォーミュラ食には「マイクロダイエット®」「オベキュア®」「オプティファースト®」があり、いずれも安全と効果が医学的に検証されています。

1日1食をフォーミュラ食で置きかえると、1食約700kcal摂取しているひとでは、摂取エネルギー約400kcal減、脂肪組織は50から60g減、1ヶ月で1.5から1.8kg程度の減量が可能です。

さらに医師の指導のもとに1日3回利用すれば、1ヶ月で5から7.5kgの減量が得られます。

通常は3食のうちで摂取エネルギー量の多い夕食に替えて、フォーミュラ食を摂取するのが効果的ですが、継続利用が最も可能なときに実施すればよいでしょう。

私は標準体重維持のために、マイクロダイエット®をしばしば利用します。

1袋のフォーミュラ食を水350-400mlに溶かして飲むだけです。

ココア、コーヒー、抹茶、オレンジなど7種の味はどれも本格派で、とても美味しくいただけます。

個人的には季節限定の「あまおう」「グレープフルーツ」味がお気に入りです。

フォーミュラ食の欠点をひとつ挙げるとすれば、噛むという行為がほとんどないため、ひとによっては満腹感が得られにくいという点でしょう。

この場合には、前もって生野菜をよくかんで食べるなどアレンジしてみてはいかがでしょうか。

このような調整食品も取り入れるなどして、無理なく正しいダイエット法を実践していただけたら幸いです。

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