よしの内科クリニック

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糖尿病のあなたへ           ・・・皆さん元気をお出しください・・・

 糖尿病と言われたけれど、何のことだか分からない。わたしのこと?僕のこと?そうだとしてもそれ何?と、思っているでしょう。困ったことに、これはあなたのことなのです。あなたはご飯を食べるでしょう?あのご飯はお腹から体に入って、あなたが勉強する時の頭のエネルギーや、テレビを見る時の眼のエネルギーや、歩くときの足のエネルギーや、大便をする時の力むエネルギーになっているのです。息ひとつするにもエネルギーがいるのです。今あなたはこれを読んでいる。エネルギーを使ってね。

 糖尿病は、あなたがせっかく食べたご飯がエネルギーにならない病気です。そんな馬鹿な、と思わないでください。あなたは穴のあいたバケツで水を汲んだことがあるでしょう?汲んでも汲んでも水は漏れて出ていく。あなたが食べたご飯の運命も同じです。あなたの身体は穴のあいたバケツです。これはちょっとまずいですね。

 でも、そんなにびくつかなくていいですよ。糖尿病の人は世の中にいくらでもいたし、また今もいる。あなたは野球が好きですか?相撲が好きですか? 巨人のエースのガリクソンも糖尿病だし、糖尿病なのに横綱になった人もいたんです。あなたはSF小説を読みますか?H.G.ウェルズが糖尿病とは知らなかったでしょう?エジソンだって糖尿病さ。あなたが知ってそうな名前をいくつか挙げましょう。毛沢東、ドゴール、フルシチョフ、ナセル、皆、糖尿病だった。そしてあなたも糖尿病です。

 糖尿病だといったって、バケツの穴をふさげばなんてことない。少しばかり知恵と気合があれば、ふさぐのはやさしい。穴をふさいで横綱になり、エースになった人もいるんです。さて、あなたはどうかな?できるかな?
 もちろんあなたにもできる!やる気があればね。

 

この世をばわが世とぞ思ふ望月の 欠けたることもなしと思へば

 祝宴のさなかにこう詠んだ53歳の藤原道長は9年後にこの世を去った。51歳の頃から『しきりに水を飲む。とりわけ近日昼夜多く飲む。口渇き力なし。ただし食べるのは普段と変わらない。』口渇き力なし、だけではない。『目が見えない。二三尺離れれば人の顔見えず。手にとるもののみ見える。庭のものなど見えようがない。』そしてついには、“胃腸病”になったと見る間に意識を失い、背中に乳房ほどの腫瘍がでてき、2ヶ月もたたぬうちに果てた。道長の一族には似たような者が多い。伯父の伊尹は『水を飲みに飲んで』49歳で没した。兄の道隆は『水を飲んでえらく痩せて』43歳で没した。甥の伊周も『日頃水がち』で37歳で没した。

 道長よりもっと前、今から2150年前のギリシャでは、『この病気は手と足を尿に溶かしてしまう。尿は水門を開きっぱなしにしたように止まらない。慢性だがいったん起こると衰弱は急で速やかである。』2400年前のインドの古代ヒンズー教典もこの病気は“蜜の”尿(なめた?)が特徴という。どうやら全部同じ病気らしい。

 ずっとずっと後の今から300年前に、イギリス人もやっとインド人と同じようにこの病人の尿をなめると(!)甘いことを気づいていた。すぐその100年後、尿を煮つくすと赤砂糖の味(またしてもなめた!)の結晶が残った。尿が甘いといっていただけの2000年の年月の後に砂糖味のものが溶けていると知るのにわずか100年、長いリレーも最後のバトンはいつも短い。かくしてやっと道長一族の知らなかった尿糖を知ることになった。血液の中のブドウ糖が尿に漏れ出てくることはフランス人が教えた。

 そうしてまた幾年月、よってたかってああだこうだの試行錯誤のあかつきに、ドイツ人が犬の膵臓を全部取ってしまった。すると犬は糖尿をしきりにたくさん出すが膵臓の一片を移植するとぴたっと糖尿をしなくなったのである。そしてついに今からちょうど70年前、一匹のカナダの犬が夜の帳を開けた。この犬の膵臓からインスリンが抽出分離された。

 今日の知識には、古代のインドやギリシャに始まった無数の探索が凝縮している。徳川家光の江戸でも飲食養生の心得は錦絵として袋にいれて販売流布されていたし、同じ頃なんと自分の体重を時々刻々テーブルやベッドごとそっくり測って代謝を調べたイタリア人もいたのである。

 今日の一膳の食事にも一滴の注射にも2000年の知恵が詰まっている。

「糖尿病のあなたへ」

岐阜県立岐阜病院(現岐阜県総合医療センター)・東5階病棟「総合内科スタッフ」2004年7月6日 第4版 1~3頁より引用

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