前回は玄米やもち麦の効用についてお話しました。
でも「カロリーが気になる」、「糖質は太るんでしょ」との声が聞かれます。
この点について少し掘り下げてみましょう。
「摂取カロリーを減らせば痩せる」と指導されますが、はたして本当にそうでしょうか。
「痩せの大食い」ということわざや、同じ摂取カロリーで比べてみると「生クリームたっぷりケーキ」と「海藻大豆を含む野菜サラダ」が体重に及ぼす影響が明らかに異なることなどから、私たちは単にカロリーのみで太るか痩せるかが決まるのではないと経験的に理解しています。
これを裏打ちする研究報告が公表されています。
白米やパンなどの「白い炭水化物」を多く取った人は体重が増えていたのに対し、玄米などの「茶色い炭水化物」(玄米の玄という字は色が濃いという意味)は摂取量が多い人の方が体重が減少していたというものです。
また、炭水化物の摂取割合が40%以下と少ない人では死亡リスクが増加する(つまり「糖質制限ダイエット」は健康維持に好ましくない)と報告されています(Sara B Seidelmannら 2018 Lancet)。
さらに茶色い炭水化物は糖尿病、脳卒中や大腸がんなどの病気のリスクを減らすことも明らかにされています。
なので肥満に悩ませれている皆さん、ダイエットのために心配することなく玄米やもち麦などの茶色い炭水化物をメニューに取り入れてください。