ダイエットに失敗する女性に共通する3つの考え方ー運動不足

2022年06月30日 14:25
カテゴリ: 肥満基礎代謝運動

 2.運動不足だから太ると考えている。

運動で消費するエネルギーについて考えてみましょう。

問題です。

「体重60kgの女性がいつもの食事に加えて、ショートケーキ1個を食べました。

ケーキ1個分のカロリーを消費するためには、運動(早歩き)を何分行えばよいでしょう。」

A 10分 B 20分 C 30分 D 60分 E 90分



答えはE 90分。

つまり約7400mもの距離の早歩きが必要になるのです。

ちなみに普通の歩行だと2時間必要です!

3.ダイエットしても少しは体重が減るけど、希望どおりには減らないと考えている。

体重別の一日総消費エネルギー(Eと略します)を考えてみましょう。

私は肥満外来に訪れた女性全員に対し、減量時の目標体重をお尋ねしています。

みなさん最初控えめな数字をお答えされるのですが、減量が進むにつれほとんどの方は「本当は55kgです。」と答えます。

問題です。

「運動の習慣なし(家事、通勤、デスクワーク程度) 身長158cm 体重75kg 40歳 女性が一念発起して、1週間に2個食べていた大好物のショートケーキを断って、10kgの減量に成功して65kgになりました。しかしここからは全く減りません。なぜでしょうか?」



答えは体重によって消費エネルギーEが異なるからです。

問題の女性のEは、75kgのとき1750キロカロリーです。

1週間に食べる2個のショートケーキは732キロカロリーなので、1日あたり約100キロカロリーを減らして減量に成功しました。

ところが、体重65kgに減量した時点でのEは、1634キロカロリーなのです。

体重75kgのときより約100キロカロリー少ないですね。

つまり体重65kgではショートケーキ2個減らしてやっとその体重を維持できるというわけです。

体重55kgでのEは1523キロカロリーであるため、目標を達するためには更に毎日100キロカロリーを減らさなければなりません。

これが「体重下げ止まり」の原因の一つです。

以上から、ダイエットに失敗するひとの共通の考え方は何か、もうおわかりですね。

過食が原因の第1であることを認識していないことです。

もちろん、運動不足、基礎代謝低下といった要因は間違いなく存在しますし、改善していかなければならない事柄です。

しかしその重みは、過食>運動不足、基礎代謝低下です。

減量に成功するには、過食を認識し是正したうえで、足りないところを運動や基礎代謝亢進で補うと考えることが必須です。

肥満外来では過食と基礎代謝の改善を支援することで、多くの人の減量をサポートしています。

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