"ムズキュン"と呼ばれる主人公ふたりが織りなすやりとり。
「契約結婚」を「仕事」に昇華させたストーリー。
多様性あふれる個性的なキャラクターたち。
そして新垣演じるみくりの有名テレビ番組妄想パロディー。
新垣結衣と星野源の共演で社会現象を巻き起こしたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」は2016年に放映されましたが、いまだ数々の名場面を記憶しているひとも多いでしょう。
その中での自尊感情をモチーフにした場面も印象的でした。
同じ屋根の下で次第に好意を持つようになる二人ですが、主人公みくりが男性の話をするなど他の男性の影がみえると、すぐに心の壁をつくり殻に閉じこもってしまう平匡(星野)。
それをみくりは、恋愛において満たされないままここ(36歳)まできた彼自身の自尊感情の低さゆえだと分析しました。
肥満症に共通する性格、いわゆる肥満性格は古くから研究されてきましたが、いまだそのような性格は発見されていません。
しかし、しばしばよく認められる心理的特徴は知られています。
そのひとつが平匡と同じ自尊感情の低さ(ここでは低い自己評価といいます)です。
低い自己評価のひとは、出来事や状況を悲観的にとらえてしまいます。
そして解決を試みるだけの自信もなく、強いストレス状態下に身を置くことになります。
更にこの状態の中で、ストレスを発散しようとして気晴らし食いやむちゃ食いが起こることがあり、程度や頻度により肥満症が発症します。
ではこのような低い自己評価はどのようにして生じるのでしょうか。
みくりが平匡についてした分析と同様、過食と肥満について悩みながらも自力で解決できなかった、解決しようとダイエットしたが挫折したなどの経験から、自己評価が低下したのでしょう。
行動と挫折を繰り返すことによって生じる自己評価の低下を「学習性無力」といい、低い自己評価の主な原因と考えられます。
成功体験がないことから自信が失われ、女性と知り合っても「自分とこの人がどうにかなることはない」と決めつける平匡。
みくりは、そんな彼の自尊感情を回復しようとして、凝り固まった脳を「ゆっくり」「焦らず」「徐々に」「少しずつ」解きほぐしていき、そしてほめたたえる・・・
その後のストーリーは皆さんご存知の通りです。
ダイエットに繰り返し失敗するひとも、みくりのこの方法を自分自身に応用してはいかがでしょうか。
本ブログ「肥満に悩むひとの運動のはじめ方」で紹介した運動を例にあげましょう。
「初めの一歩としてできるだけ小さい目標をたてる」(壁腕立て伏せ2回、ウォーキングシューズを履く)
「小さな目標を達成できたら、自分を祝福する」
このように小さな成功を経験しほめたたえ自信をつけていくことが重要です。
「逃げ恥」では主題歌に合わせて出演者たちが踊る「恋ダンス」もブームとなり、いろいろなところで踊る姿が見られました。
今日は久しぶりに「恋ダンス」を踊ってダイエットしませんか?